日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2022年11月13日あがり症の症状に応じた改善をしよう!



★あがり症は治せる


このブログで何度かご紹介しているように、日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースを受講されている人の大半は、あがり症の克服、改善を目的としています。これらのコースでは、話し方のトレーニング方法として2分間のスピーチを繰り返し練習することを採用しています。スピーチ実習を始めたばかりの段階では、ほとんどの人があがっているのがわかります。その上、話の内容が散漫で何が言いたいのかわからない状態です。しかし、最後に行う成果発表スピーチでは皆さん別人のように堂々とわかりやすい話をされます。あがり症はトレーニングをすれば克服できるのです。





★あがり症のHさんの例


ところで、話し方には人それぞれの特徴があります。従って、あがり症の症状も人それぞれです。例えば先日の2日間集中コースに参加されたHさんはあがると早口になるタイプでした。最初のスピーチをした時は矢継ぎ早に次々と早口で話すため、つっかえたり言い直したりすることが多く、聞き手も話を落ち着いて聴けませんでした。また、言葉足らずで話が具体的ではなく、聞いていてわかりやすい話とも言えませんでした。


講師がアドバイスしながら話をわかりやすくしていきますが、Hさんは慎重な性格でスピーチの内容を全部書いて覚えようとします。そのメモ作りにかなり時間をかけていました。このままでは早口を治すこともできません。そこで講師は「Hさん、別室に行って声に出して話をしながら話をまとめてください」とアドバイスしました。それが功を奏し、Hさんはそれから間もなくわかりやすいスピーチにすることができました。書いてまとめるよりも話をしながらまとめる方が得意だ、という人は少なくありません。Hさんはまさにそういうタイプだったのです。一旦話すことがまとまると自信がついたのでしょう、全員の前での発表では、ゆっくりとした口調で堂々と話をされました。



★あがり症のKさんの例


一方、Kさんはあがりの症状が見た目に表れにくいタイプでした。最初のスピーチから話し方もゆっくりで聞き取りやすく余裕が感じられました。しかし、本人に話を聞いてみると「あがって手足が震えていました。とても落ち着いて話すことなんかできません」とのこと。「声に出して何度も繰り返し練習することであがり症は抑えられますよ」とアドバイスして練習をしてもらいました。しかし、その後声に出して練習しているのを聞いても余り上手くなった感じがしません。
Kさんに「話している時どんな感じがしますか?」と聞いてみると「1人で練習していても、やっぱりあがっている感じがして自信が持てません。それに、なかなか話す内容が覚えられなくてメモばかり見てしまいます」ということでした。Kさんは表には表れないけど、あがっていることを強く意識してしまうタイプなのです。それを受けて講師は「私にはあがっているようには見えませんでしたよ。自分ではあがっていると思っても人からはそう見えないものです。だから『あがってるけど大丈夫だ』と自分に言い聞かせてください」「メモは話すこと全てを一字一句書くのではなく、要点だけを書いてください。練習する度に話す言葉が変わるかも知れませんが気にしないでください。言いたいことが伝わればOKですから」とアドバイスしました。


その後、Kさんは一つひとつの言葉にこだわらずに練習を続けたところ、徐々にスムーズに話せるようになりリラックスした表情を見せるようにもなりました。最後のスピーチでは低めのよく響くいい声で、聴き手の心に響くスピーチをしてくれました。本人もあがっている感じはほとんどしなくなったとのことでした。



★ご自身のあがりのパターンに応じたトレーニングをしてみませんか?


この例のように、あがり症がどのような形で表れるかは人それぞれ違います。従ってその改善方法も人によって異なります。日本話し方センターのベーシックコース2日間集中コースでは、参加された方それぞれに応じたアドバイス、ご指導をしています。あがり症にお悩みに方はぜひご参加ください!

>横田章剛のブログTOP